Rebecca Parris & Gary Burton -- "It's Another Day"


いちおう Gary Burton のリーダーアルバムで feat. Rebecca Parris という建前だが、個性の強さから言うと、やはり順序をひっくり返したくなる。

一言でいうと Rebecca Parris のGRP風仕立てであり、Gary Burton の持っているトーンというよりも、このレーベルの音作りでこの一枚の空気は出来上がっている。昔流行ったフレーズでいえば「ソフト&メロー」・・・とても聴き易い。

歌のうまい人が聴き易い歌い方をすると、反面、個性が引っ込んで耳への引っ掛かりが無くなっていく・・・そしてこの盤について言えば、商売っ気が香っている割に購買者のターゲティングがはっきりしないというセールス的な詰めの弱さも感じるのね。
普通このレベルでは、いくらそのアーティストのファンと言えど、財布から2,500円の代金を取り出す瞬間には迷いが生じるだろうし、多くの場合には少しでもコストパフォーマンスの高い盤に視線が流れていくはずだ。

まま、この盤がいまボクの手元にあるのは、そのぎりぎりの攻防に競り勝つだけの魅力が Rebecca にはあったということなんだけれど。

恐らく・・・このシンガーの持っている音楽的なベースは、この盤が表現しようとしたものとは幾分かけ離れていると思う。それは、最近の彼女のステージを垣間見るだけで一目瞭然だ。

   http://www.youtube.com/watch?v=iyEcP6OPk4Y&feature=related
    基本的にはステージで活きる歌手・・・顔の表情みていると思わずこちらもニヤついてしまう。

   http://www.youtube.com/watch?v=Wy4EY97Fw-c&feature=related
    こんなヒートアップしたスキャット対決はめったに聴けない!

・・・いうわけで、彼女の芸風の広さを間接的に教えてくれるのがこの盤だということで、結構屈折した心理で聴く彼女の "It's Another Day"・・・皆さんも如何でせう?!
 

(筆:しろくま)






Sofia Finnilä -- "Everything I Love"


このごろレンタルCDショップのジャズコーナーへ行くと、やたらと北欧系のミュージシャンが一等席を占めていることに気付く。「流行」という言葉で簡単に片付けてしまってもいいのだが、ジャズの大きな潮流の一つが、確かにヨーロッパ東北部に向けて流れているのは事実のようだ。

むかし、Ann Burton や Louis van Dijk、そして Pim Jacobs の盤などを聴きながら、オランダという国は、国策として密かにジャズ王国を狙っているんじゃないか・・・当然それは経済的な国益にもつながるだろうし・・・などと漠然と考えたことがあった。

もし、この妄想が的外れでなかったのなら、スカンジナビア半島の各国はもちろん、東ヨーロッパの一部の国も、いまや同じ国策に走っていることになる。(イタリアやフランスやスイスなんぞはずっと以前から???)

そういう意味で言えば、フィンランドという国は後発ながらも、いまかなり追い上げ激しくがんばっているように思える。レンタルCDショップへ話しを戻すと、一等席に並んでいる何分の一かは Five Corners Quintet の盤であったりもするのだ。

その Five Corners Quintet が全面バックアップし(当然演奏も)、いま超売れっ子のプロデューサー須永辰緒が主催するレーベルZOUNDSの第一弾として世に出されたのが、このSofia Finnilä "Everything I Love” だ。

Sofia の紹介をネット上から拾ってくると・・・「名門シベリウス音楽院出身で現在はフィンランドの声楽校の教授でもあり、1999年のフィンランド国際ジャズ・シンガー・コンテストでも優勝するという実力派 」・・・知りえるのはその程度の情報で、ジャズ・ボーカル・ファンの間でもまだあまり知られていない。ビジュアルで売ることを良しとされないのか、別の理由なのか;;、お顔もあまり出されていない。
  
一聴でわかるが、これは楽曲的にも、アレンジ的にも、音造り的にもクラブ・ジャズとは異質の音楽だ。まったくの正攻法、直球勝負・・・ただただ、時代の先端のジャズ・ボーカルなのだ。「須永辰緒がプロデュース」とどこかで読んだことがあって、ちょっと音が違うよなと思っていたら、やはりこれは彼女の自主制作盤に乗っかった形のようだ。もちろん「古さが同時に最先端の要素」というニュアンスだけでいえば、とてもクラブ・ジャズ的であるし、須永氏が惚れ込んだわけもわかる気がする。

北欧の音楽に惹かれるのは、ひょっとしたら、最新の音楽トレンドとちょっと別のところで、時代の流れにやや無頓着に、いや、だからこそじっくりと熟成されたものだからなのかもしれない・・・。
「本物は辺境にこそある」・・・そう言い切って格好良く締めたいところだが、おそらくフィンランド人が気を悪くするだろうし、本来の意味での辺境にいるのは、流行ばかりを追いかけている我々日本人なのかもしれない・・・なんてことを考えると、締めの言葉にもならないな。


(筆:しろくま)


 





マリーン & 本田雅人 B.B.Station -- "Jazz'n Out"

 
Marlene と 本田雅人率いるビッグバンドB.B.Stationが組んだ、ジャズ・ポップス・ロックなんでもありの楽しい一枚だ。実は、この盤を目指して購入したわけではなくて、あるDVD映画のエンディング・ロールのバックに、彼女の泣けるような Left Alone が流れていて、急にマリーンネエさんの声が恋しくなったからなのだ。彼女の Left Alone はシングルカットもされ、有線洋楽部門で首位に選ばれたこともある人気の曲だが、この盤でもアレンジこそ違うが、外されることはなかった。

後で知ったが、この盤はSwing Journal誌のゴールド・ディスクに選定されてたらしい。まま、乱発気味のSJの賞のことよりも、マリーン16年ぶりのメジャーアルバムってところが嬉しいね。歌声も、美貌も昔と変わらず・・・いや、後者なんぞは昔よりさらに磨きがかかってピカピカ光ってるじゃございませんか・・・。

さて話を元に戻して・・・そのきっかけとなった映画というのは、1986年に角川映画からリリースされた「キャバレー」だ。ストーリーや配役などは下記を見てもらおう。ジャズ・ミュージシャンが主人公のハード・ボイルド映画だ。

  http://www.kadokawa-pictures.co.jp/official/cabaret/

ジャズをモチーフにした映画もいろいろあって、このあいだは田村正和/伊藤美咲主演の「ラストラブ」をレンタルDVDショップで借りて観てみたが、これはあまりいただけなかった。田村はヒシコでテナーを練習したらしいが、映画のなかではまるっきり指が動いてないのに、ものすごいパッセージが吹き上がっていて興ざめした。
それにひきかえ、「キャバレー」では主演野村宏伸クンのアルトが、まるで本人が吹いているみたいだったし、尾藤イサオサンのベースも(少なくとも右指だけは)BGMにぴったり合っていた。

「蘇る50年代」のキャッチフレーズ通り、画面のトーン、人間同士の絡み方、映し出される光景やその空気感、それらはまぎれもなく昭和中期のそれだ。そして何よりも・・・全編のバックに流れるモダン・ジャズの数々が、まさに時代の響きとして、映画全体の通奏低音を担ってくれている。
お話全体のテーマにもなっている Left Alone がかなりしつこく流されるが、少しづつサックスのアレンジは変化を持たせてあるし、それ以外の名曲もいろいろ聴こえてくるので決して飽きはこない。

平成の時代から眺めると、ジャズという音楽にここまで特別な思いをもっている人達がいたのだということを思い出させてくれる映画であった。「特別な思い」というのは、一方的な思い入れやイメージの押し付けという意味もあれば、また、古風で真面目な「求動」の精神にも通じる何かである。映画の中の倍賞美津子の台詞をそのまま借りるなら、「ジャズってる」かどうかが、生き様の重要な価値尺度であったのだ。

僕の世代はそんな文化のど真ん中から、少し後ろにズレたところにあるのだが、たしかにこの香りは70年代にはまだそこかしこに残っていたし、また背伸びをして取りに行こうとさえしたもの・・・そう、「憧れ」のようなものでもあった。

まったくCD評にはならなかったが、最後にこの盤を買うきっかけになった Marlene の Left Alone を聴いて、今日はここまでとしよう。

  http://www.youtube.com/watch?v=58btpkD69t4


(筆:しろくま) 






Lisa Ekdahl Peter Nordahl Trio / Back To Earth


スウェーデンのリサ・エクダールのスタンダード集。

とても心地よいヴォーカルに、そつないトリオのバック。ちょっとゆっくり時間があるときによく聴きます。

彼女はロリータヴォイスなんてよく言われ、賛否わかれるところなんですが、ノラ・ジョーンズや最近でできたメロディー・ガルドーなんかも声は違えど歌い方は似てませんかね? 

声を張り上げて歌うのももちろんいいですし、ノラやガルドー見たいし静かに歌う。

もち楽曲にもよりますが、そのあたりを巧みに使い分けるにのが、良いヴォーカリストってことでしょう。  

(筆:加藤)







Nikoletta Szoke -- "A Song For You"

 
はっきり言ってジャケ買いです ・・・ でも、それが何か!?
・・・そう言い返せるだけの美貌の持ち主じゃありませんか?

幾何学模様とその微妙な色の組み合わせがジャケットのトレードマークだった澤野工房、その数あるCD群の中で、Nikoletta Szokeのアルバムはひときわ光っておりますね。

もちろん、澤野工房が見かけ倒しのいいかげんなものを出すレーベルじゃないことは、皆さん先刻ご承知でしょう。いわゆる歌唱力がとびっきり高いわけではないにしても、ジャズのもっている雰囲気を余すところなく放射してきますね。ちょっと舌足らずなところもお色気に転化しちゃうしたたかなボーカリストです。(Nikolettaを知って以降は、「鼻声フェチ」改め「舌足らずフェチ」になったアタクシめでございます。)

お声を聴きたい方はこちらからサンプル聴けます。
http://www.jazz-sawano.com/products_204-0-2.html
彼女の歌声をこれだけ引き立ててくれている Robert Lakatos のピアノの存在にも気づかれることでしょう。

彼女は澤野工房からもう一枚"Golden Earring" を出しています。(もともとのハンガリー国内のレコード会社からリリースされていたものを新たに澤野工房との契約に切り替えたもののようです。) こちらの方は、さらにベールが一枚剥がれた感じで、ジプシー・ルーツの彼女らしさが出ていて、音楽的にも味わい深いものがあります。
http://www.jazz-sawano.com/products_205-0-2.html

来日公演も決定したようですね・・・
http://www.jazz-sawano.com/info.php?mid=140
Robert Rakatos に Nikoletta がついてくるんじゃなくて、その逆なんですね・・・凄いなぁ

日は空いているが、東京かぁ・・・;;


(筆:しろくま)

 





Lovisa -- "That Girl!"



北欧のジャズがいま若い世代を中心に隠れた人気なのだそうだ。北欧でジャズというと、コペンハーゲンのジャズクラブ「カフェ・モンマルトル」での録音盤のこととか、N.H.O.Pedersen ぐらいしか知らなかったアタシだが、別嬪さん系の女性ボーカリストがわんさか出てきているよと聞けば、視聴探索の旅に出ずばなるまい。

Spice of Life レーベル(http://www.spiceoflife.co.jp/list.html) から出ている "Swedish Beauties Vol.1" などは、そんなミーハーリスナーにはとても最適な音のカタログだと思う。そしてこの盤で、我が耳の琴線をピーーンと弾(はじ)いてくれたのが Lovisa だった。

おそらく、以前に何度か聴いているはずだが、さらっと聴き流してしまっていたのだろう。そう!・・・「油断していると聴き流してしまう」というのが彼女の歌声の本質なんだろうと思う。実にサラッと流れていく感じ・・・味は薄いが磨きあげた水が自慢の微炭酸飲料水を飲んだ時の感じなのだ。
こってりとしたジャズの美酒に酔いどれている者にとって、たまに出されるそういう清涼ドリンクは、目が覚めるように新鮮で美味であったりする。

歌詞の持っている情感を、諸々の歌唱テクニックにいかに託して表現に導くか・・・それを歌のクオリティだと考えている人たちにとっては、彼女の歌は少しばかり一本調子に聴こえるだろう。またストリングスの代わりに、シンセサイザを入れたり、ジャズのスタンダードでまとめるかと思うといきなりポップな曲を混ぜ込むようなアルバム作りは、コテコテのジャズファン達には Out of Jazz の烙印を押されかねない。

しかしそんな彼女の声が・・・実は、一度気になりだすとけっこうあとを引くのだ。
そして、この感触は、どこか同じ Sweden のボーカリスト、故 Monica Zetterlund に一脈通じるところがありはしないか・・・?!

Lovisa ・・・ きっと彼女のファーストネームなのだろうが、セカンドネームが表示されることがほとんどなくて「ロビーサ」で通用させてしまっているらしい。日本の芸能界でいえば、「小雪」みたいな感じなのかな。アルバムタイトルも、「「あの娘」といえばもちろん「あの娘」じゃないの?」みたいなニュアンスの自己主張を含んでそうな気もする。

ちなみに彼女の二作目のアルバム・タイトルも、"That Girl From Ipanema" だ。
こちらは、北欧風味付けのお洒落なボサノヴァのアルバムで、ジャケ写真はイマイチだが、中身的には "That Girl!"と同じく、彼女の清涼感がたっぷり詰まっていて楽しめる。


(筆:しろくま)

 






Rebecca Lynn Haward/ no rules

 

女性ボーカル探索でみつけたレベッカ嬢。なかなかパワフルで、おそらくカントリーベースなのかな? ってかんじです。ミディアムからスローまで、お決まりのパターンで構成されているんだけど、バックバンドの上手さも加味されてなかなかの1枚に仕上がってるとわたしは思います。 

アマゾンのレビューでも書いてた方がいらっしゃいましたけど、こうゆうアーティストがアメリカにはゴロゴロ(表現悪いかな?)いるんですな〜。そりゃ、日本も同じだとは思うんですけど・・。国のでかさがちがいますしね〜。
 
このようにアーティスト捜し、とても楽しくていいんですが、日本盤が出てない人はウェブも英語になってしまって、あんまりわからんのがつらいところです。翻訳してもなんかけったいになりますしね。

また、捜そう。 
あっ、ちょっと鼻声? ですよ。

(筆:加藤トシロー)






Dee Dee Bridgewater - "Keeping Tradition"



いやーー、Dee Dee のアルバムをこんなにちゃんと聴き込んだのは、学生時代に衝撃を受けた "Afro Blue" 以来だ。Afro Blue を初めて聴いたのは、アルバムがリリースされた1974年頃だったから、なんと35年の歳月が流れたことになる。

こんなにご無沙汰してしまったのは、アタシの拡散的な嗜好ベクトルのためなのだが、Dee Dee はもちろんこの間も懸命に歌い続けていたわけで・・・。時代の流れに乗ってブラコンやフュージョン系のアルバムを出したと思うと、活動拠点をパリに移してシャンソン集を発表したり、ブロードウェイミュージカルへ出演して成功をおさめたりしながら、「ジャズ・ボーカル冬の時代」をうまく乗り切ったと言えるだろう。98年には "Dear Ella" でグラミー賞(ベスト・ジャズヴォーカル・アルバム部門賞)をもらったりしている。90年代半ばにちゃんと元の鞘に収まったという格好にも見えるのだが、それは彼女のダイナミズムに対する外野からの評価の一局面に過ぎないのかもしれない。彼女の才能はその後も、社会活動家の面も含めてますます拡大していっているようにも見える。

こんな彼女の活躍をほとんど知らずに・・・言い換えるとまったくの予備知識なしで再会を果たしたアタシなのだが、この歳月によって積み上げられた重みというものを、耳の奥底で感じとることができた。ますます洗練された表現力、どんな情感だって表現してしまえそうな変幻自在な歌いっぷり、アーシーなのにどこかクールでインテリジェントな展開、超の付くスキャット技巧・・・どこをとってもいま望みうる最高の Jazz Vocalist なのかもしれない。

ここまで「ご贔屓丸出し」の言葉を並べてしまうと、"Keeping Tradition" というアルバム・タイトルが、さらに意味ありげに読めてしまう。90年代は、御三家 エラ/サラ/カーメン がお揃いで千の風になったディケードだったが、その後を(特にアフロ・アメリカンとして)継承していけるシンガーっていえば彼女をおいて他にないのではないか・・とさえ思わされる。つまりそういう意味での keeping tradition ではないのかと。

アルバムに並べられた楽曲も、いずれもトラッド基調なものであり、あたかもライブショーの座席に沈み込んだ気分で、ただただ豊穣な展開に身を任せていればよい。#6 Autumn Leaves や #8 Lullaby of Birdland に仕込まれた仕掛けに、軽く翻弄されつつ、ニヤつきながら聴くのものもいいだろうし、フィナーレ のSister Sadie が終わったら、「やっぱりDee Deeにはホレス・シルバーが似合うよなぁ」などと通ぶった台詞の一つでも吐きながら、心の中で惜しみない拍手を送るのもいいだろう。

(筆:しろくま)






Ella Fitzgerald & Louis Armstrong −"Ella and Louis"

 

まあ、こうやってジャズの王様と御妃が並んでいるのを拝見するだけで心休まるじゃございませんか!額縁にでも入れて鴨居の上に飾れば、家内安全、幸せな毎日がおくれそうな気がする。
それにしても、ほ〜んといい感じで写真に収まっておられる・・・Ellaとサッチモが実は夫婦なのでしたと言われても、ホントにそうだったかもと思い込んでしまう。(・・ってなことはないか・・・笑)

好きなジャズでも聴くのが辛い日もある。でも、この一枚は別だね。一曲目の"Can't We Be Friends"が終わるころには、ご機嫌も120%回復してるってもんだ。素朴で温かいデュエットが、聴く者の心を和ませる。これこそ歌なんだよなぁ。

貫禄のデュエットに99%耳がいっちゃうんだけど、耳を澄ませば伴奏が凄い・・・やっぱりねぇ!の布陣だ。

 Oscar Peterson (p)
 Herb Ellis (g)
 Ray Brown (b)
 Buddy Rich (ds)

二匹目の泥鰌、"Ella and Louis Again" も一作に負けない出来だとの評をあちこちで見かける。
いずれ盤を見かけたら、きっとその場で買ってしまうだろうな。

(筆:しろくま)






Tony Benett/When Lights Are Low

 

「幻の名盤」とは、最近は死語になってしまったんですかね。最高傑作だけれど廃盤になってしまったLP。

ジャズ喫茶全盛の時代には、それぞれのお店に「幻の名盤」があって、それを聞きに通ったものです。そのうちの一枚がこれ。いっぺんに好きになって、何回か通って、そして必死になってレコード店を探して、手に入れた時のうれしさ。書く言葉を持ち合わせていません。もう40年くらい前の話です。それが、このLPが家を探してもないんです。

バックは言わずと知れたTony Benettの音楽監督であるRalph Sharonのピアノトリオです。
とにかく、Tony Benettがリラックスしているんです。タイトル曲ではものすごくスローに唄うんですが、相の手に入るRalphのピアノにTonyが思わずうなったり、「嘘は罪」では物凄くスウィンギーになったり、「On Green Dolphin Street」では思いっきり歌いあげたり。最高の歌い手が息のあった最高の唄伴で歌う。聴くほうは思わずうなってしまいます。「泣けてくる」ってやつです。気持ちよく歌わせて、しゃしゃり出ず、間にちょこちょこっと気の利いたフレーズを出してくれる、そんな唄伴が好きですが、それがこれ。Ralphは、Ann Burton のバックをやっているLouis Van Dijk とともに最も好きな唄伴なんです。

いまや、このLPは文字通り自分にとっての「幻の名盤」です。

(筆:安田英俊)





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