PHIL WOOD AND HIS EUROPEAN RHYTHM MACHINE/ ALIVE AND WELL IN PARIS

 

渾身。身体じゅうのすべての力を集約させて物事にあたることである。渾身の力をこめて・・・などとあらわされることが多い。

このフィル・ウッズの名盤はよく半ば揶揄してるのかと思うような野暮ったい語り口でメディアではそのように表わされてしまっている。たしかに力強い演奏だ。

どのようなことがあったのか、当人も多くは語りたがらない、アメリカを後にしてのヨーロッパ行き。まず、フランスにわたり、そこでであったのがヨーロピアン・リズム・マシーンであったのだろう。ヨーロッパにもこんな腕っこきのプレイヤーがいて、ウッズも嬉しく、そして、こりゃここでもいけるで、ときっと思ったことであろう(大阪弁ではなかったろうが・・)。その思いがまさに渾身の力? となってプレイにもあらわれている。代表曲とされる、1曲目の「若かりし日」でのまさに凄まじく、一種異様な、背中がゾクゾクしてくるような恐怖感にも似たプレイを私は知らない。

旧友のロバート・ボブ・ケネディの暗殺事件に端を発して創られたと知られる追悼曲だ。ライナーノートにも記されているが、チャーリー・パーカーの後継No.1とされ、パーカーの未亡人と結婚し、遺児2人をも引き取って、パーカーになろうとした男ウッズの、アメリカへの惜別,諦観、そして憎悪までも感じてしまう14分の大作だ。

その心中は察するに余りある。しかし、そこにアメリカへのオマージュを幾許か感じてしまうのは私だけだろうか。その証拠でもあるまいが、ウッズはアメリカに戻る。

自分が初めてウッズを知ったのはスティーリー・ダンのアルバムでのプレイだが、万人に周知されたのはやっぱりビリー・ジョエルの「素顔のままで」だろう。ビ・バップ・スタイルを基本としたうつくしいソロは、今でも教則本などでコピー譜をよく見かける。いまなお第一線で活躍する彼の事はヤマハの管楽器サイトでもみることができる。

80歳をこえて今なお盛ん。いつまでも元気でがんばってほしいものだ。

(筆:加藤トシロー)






コメント
視聴してみました。いやーー熱くカッコいい演奏の連続ですね。大好きな #4 Stolen Moments はクールでこれまた素敵です。
  • しろくま
  • 2010/12/16 9:24 PM
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