Oscar Peterson -- "Romance"

 
筆者前掲 Chet Baker の項では、ブログを書きながら肩に力が入り過ぎている自分(ときに涙目・・・)を感じていたけれど、今回はテンションを抑えて、目の前を微風が流れていくような爽やかな盤を紹介してみることにしよう。

TJCメンバーのBecauseマスターさんから、「Oscar Peterson が歌っているなかなかアジのある盤があるよ」と教えてもらった。それがこの "Romance" という盤だった。アルバムジャケットは何度か見たことがあったけれど、きっと企画もののスタンダード集だろうと高を括って、いつもパスしていたやつだ。

 中身を聴かないで勝手にわかったような気になる・・・これが一番いけないね。

うーん、それにしても Peterson がとてもいい感じで歌っている。ピアノを弾きながらいつもジージー唸っている彼とは別人のようだ。おそらくご本人は 「Nat King Cole にはちょっと及ばないがオレもちょっとイケてるだろ?」って思いながら歌っていたに違いないが、本当にNat King Cole ばりの上質の歌になっちゃってるところが凄い。決して名人だけに許された「余興」や「隠し芸」の類(たぐい)ではない。

シビアーに聴けば、ビブラートをもう少し綺麗に決めてほしいなとか、もうちょっと声に表情つけて欲しいなとか、ついつい贅沢なことを要求してしまいそうにもなるが、このクラスの大物になるとそんなことはどうでもよくなる。・・・というか、テクニックを超えた高いところから、ジャズの髄液みたいなものが滴り落ちてくるのを感じることができるのだ。こういうアルバムを聴くと、肩の力はおろか、腰の力も抜けて、もう音のなすがままになってしまう。

聴きどころは何も Peterson のヴォーカルだけではない。歌の合間に聴こえるピアノがやはり上質なのだ。録音やマスタリングの仕方にも工夫があるのだろうけれど、残響が自慢の大ホールから漏れ出てくるような、本当に上品で優しい音!歌を支えるためのピアノはかくあるべき・・・「何を足してもダメだし、何を引いてもだめ」・・・みたいなね。 (どこかで聞いたフレーズだなぁ・・・笑)

そして・・・ギター!これがまたいい!Herb Ellis と Barney Kessel のそれぞれが入ったトラックが混在して配置されている。ベースは全編通して御大 Ray Brown ・・・もう何も言うことございません。


(筆:しろくま)

 





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