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- 2018.09.01 Saturday
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ジャズギターの大家、ジム・ホール氏が先日、83歳で亡くなりました。
ビル・エヴァンスとのデュオ、ソニー・ロリンズ、ポール・デズモンド、ジミー・ジェフリー、ロン・カーター…
競演、名演数知れず。リーダーでも名作を残していますが、脇役としても、どんな楽器とも
流れる水のごとく彩りを与えてきた名プレイヤーです。
晩年も若手と創意に富んだアプローチを見せ、未だ健在だと感じていた矢先、この年末に寂しいニュースとなりました。
そのジム・ホールの記念すべき初リーダー作がこちら↓
ベースにレッド・ミッチェル、ピアノにカル・パーキンスという当時の西海岸きっての名うてを配し、気持ちよくフレーズを
歌っていきます。この作品から次のリーダー作が出るまでは十数年空きますが、きっとリーダー作を録る暇がなかったんでしょう。
この作品以降、様々なミュージシャンにサイドメンとして参加し、ジャズギターの歴史に残る名演を繰り広げています。
生真面目で温和な人柄を感じさせるジム・ホールの表情、そしてその本人より躍動的なジョン・アルトゥーンが描くジムのペインティング。
“静と動”を捉えたクラクストン、ジムのプレイスタイルを解釈した上での構図に思えます。
気持ちの温かくなる演奏です、この寒い寒い12月にゆっくり味わいましょう。
R.I.P. Jim Hall(1930−2013)
7年後、東京でのオリンピック開催が決定した世間のフィーバーも少し落ち着いたでしょうか。開催の是非はどうあれ、華やかな話題でした。リニアモーターカーも先日、走行ルートと停車駅の発表がありました。そして、何やら姫路や明石でも駅前の再開発がどんどん進んでおります。 発展的な事柄が多いように考える事もできますが、はてさて。経済成長期は遥か昔、長引く不景気を打開し、再び上昇していくのでしょうか、この国は。
なんて、やたらと固〜く語ってしまったのは、この盤を久々に取り出して、ジャケットを眺めていたからです。
Duane Tatro「Jazz For Moderns」
どこかのモーターショーで撮影したのでしょうか。おや、よく見ると子供が二人座席から少し顔を出しています。斬新なフォルムのいかにも未来的なスポーツカーにアメリカンドリームの栄光、なんだか“古き良きアメリカ”を感じます。明るい未来に向かって、夢と希望いっぱいに、空へも飛んで行きそうなこの車。しかし、それに乗る子供達の目は意外と冷静に、その先を見据えているように見えなくもない。
ともかく、素直に将来に向かって上を向いて歩いて行けるような世の中になってくれれば、と柄にも無く、ふと真面目に思ってしまいました。
さて、このアルバムの肝心の中身ですが、ジャケットの格好良さ、シェリー・マン(dr)、ジミー・ジェフリー(bs)、スチュー・ウィリアムソン(tp)等、当時の西海岸の名手を揃えているものの、編曲者のデュアン・タトロのアレンジが、どうも耳に馴染まず、あんまり聴く気になれない、と言うのが本音です。笑
小島 良太
ご無沙汰しております。
高砂万灯祭が近づく中、会員として何も貢献していません…せめてブログだけでも頑張らなくては!!
というわけで、このシリーズ、まだまだ続きます。
今回紹介するのはコチラ↓
ハンプトン・ホーズ(p)の「Vol.2」です。
タバコを手に、腕組みし、ジーッっとこちらを見るホーズさん。ちょっと怖い印象もたれちゃいますよ、ホント。
駐在米軍として、日本に滞在経験があり、あのクレイジーキャッツの植木等さんがジャズメン時代に共演した事もある、いわば日本に本物のジャズとは何たるかを身をもって伝えてくれた方なのです。
なのに、こんなモノクロの写真で凄まれたら、ビビッちゃいます。
ジャズピアノトリオの名作として名高い本作、ホーズさんのバップピアノに当時西海岸随一の技巧派べーシスト、レッド・ミッチェルが堂々張り合い、チャック・トンプソンのシンプルなドラムが堅実に支える。
曲もほとんどスタンダードで気軽に本格的な演奏を楽しめる、素晴らしい一枚なのですが、いや、でもやっぱりホーズさん、そんなにムッとしなくても。笑
クリフォード・ブラウン。
彼の天才的なトランペットの素晴らしさは死後数十年経っても、決して色褪せる事はありません。
25歳で亡くなった彼の年齢をいつしか通り越してしまいました…
彼の名演奏といえば、かの『バードランドの夜』や、マックス・ローチ(dr)との双頭クインテットが真っ先に挙げられる事でしょう。
その不世出のトランペッターが西海岸に残した作品が今回の作品、『Jazz Immortal』。
ジャック・モントローズのアレンジは、ウェストコーストジャズのパブリックイメージ通り、ブラウン含め4菅のアンサンブルが映える作風ですが、ズート・シムズ(ts)等を差し置いて、ブラウンの快活なトランペットの存在感たるや、さすがの物。
このジャケット写真から、ブラウンの演奏に呆気に取られている西海岸の面々の顔が思い浮かびました。笑
彼のペンによる、「Joy Spring」の初演が収められている事でも知られる作品です。
春らしい春は短く、もはや夏かと言いたくなるほど暑い日が続きますが、この作品を聴きながら、
これからの梅雨、本格的な夏に備えましょう。
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小島良太